友人との写真、SNSに載せても大丈夫?投稿前に考えたい顔写真と画像の使い方【久松亮一の法律ブログ】
友人と食事をしたときの集合写真や、旅行先で撮った一枚。楽しい出来事をSNSで紹介したくなる場面は、日常のさまざまなところにあります。写真を添えれば、その日の雰囲気も伝えやすくなります。
ただ、自分にとってお気に入りの写真でも、写っている人が同じように公開を望んでいるとは限りません。また、投稿を華やかにするためにネットで見つけた画像を使う場合には、撮影した人などの権利を考える必要があります。
写真の扱いを考えるときは、撮ること、公開すること、他人の画像を使うことを分けると整理しやすくなります。今回は、SNSへ投稿する前に確認したいポイントを、身近な場面から見ていきます。
写真を撮る了承と、公開する了承は分けて考えます
食事会でカメラを向けたとき、友人が笑顔で応じてくれたとします。その様子から、写真を撮ることは了承していると考えられる場合でも、誰でも見られるSNSへの掲載まで了承しているとは限りません。
仲間内の思い出として残すことと、面識のない人にも顔を見せることでは、写真の届く範囲が異なります。仕事と私生活を分けている人や、ネット上では顔を出さないようにしている人もいます。投稿する側には分からない事情があるかもしれません。
そのため、撮影したあとに、使いたい写真を見せて掲載してよいか確認することが、行き違いを防ぐ方法になります。どのSNSに載せるのか、公開範囲はどうするのかまで伝えれば、相手も判断しやすくなります。
集合写真では、一人の了承を全員の了承として扱わないことも大切です。掲載を希望しない人がいる場合は、その人が写っていない写真を選ぶなど、投稿の仕方を調整できます。
顔写真には、写っている人の利益が関わります
自分で撮影した写真であっても、写っている人の顔や姿を自由に公開できるとは限りません。人には、みだりに容貌などを撮影されたり、その写真を公表されたりしない人格的な利益があり、一般に肖像権の問題として扱われます。
もっとも、人が写った写真を無断で投稿すれば、必ず違法になるという単純なものでもありません。撮影された場所や状況、目的、方法、公開による影響などを踏まえて判断されます。最高裁判所の判例でも、撮影や公表が社会生活上の受忍限度を超えるかどうかが判断の基準とされています。
日常の投稿では、法律上の限界を探るよりも、相手がその写真を公開されて困らないかを確認するほうが実践的です。特に、表情を大きく写した写真や、本人が見せたくない場面の写真は、慎重に扱いたいところです。
写真そのものだけでなく、添える文章にも目を向ける必要があります。名前、勤務先、一緒にいた場所などを付け加えることで、相手の私生活について伝わる情報が増えるからです。顔写真の掲載を了承してもらったとしても、そうした情報まで公開してよいかは、別に確認すると安心です。
店内写真は、お店のルールと周囲の写り込みを確認します
カフェの料理や店内の雰囲気を撮影するときには、まずお店の案内を確認します。撮影できる場所が決まっていたり、ほかのお客さんが写る撮影を控えるよう求められていたりすることがあります。
また、撮影が認められていることと、どのような写真でもSNSへ掲載してよいことは同じではありません。撮影と投稿について別のルールが設けられている場合もあるため、分からなければスタッフに確認する方法があります。
料理を中心に撮ったつもりでも、背景には人の顔や名札、注文票などが写っていることがあります。撮影直後の小さな画面では気付かなかった情報が、拡大すると読める場合もあります。
投稿前には、主役の料理や景色だけでなく、写真の隅まで見直してみましょう。必要のない部分を切り取ったり、別の角度で撮り直したりするだけでも、周囲への配慮につながります。
ネットで見つけた画像は、公開されていても自由には使えません
自分で撮った写真がないとき、画像検索で見つけた写真やイラストを使いたくなることがあります。しかし、ネット上で閲覧できることと、自分の投稿に転載できることは別です。
創作性のある写真やイラストは著作権で保護され、SNSへの転載には、原則として著作権者の許諾が必要です。個人の投稿であることや、収益を得ていないことだけで、自由に利用できるわけではありません。
撮影者の名前や元のサイトを記載しても、それだけで許諾の代わりにはなりません。画像を保存して投稿する前に、利用を認める案内があるか、その条件に自分の使い方が合っているかを確認します。
無料の素材サイトについても同様です。無料という表示は、あらゆる用途で無条件に使えるという意味とは限りません。SNSでの使用、加工、広告への利用などについて条件が設けられている場合があります。ダウンロードできたことだけで判断せず、利用規約まで読むことが大切です。
出典を書けば、どんな使い方でも引用になるのでしょうか
他人の画像を使うときに、引用として掲載すればよいと考えることもあるかもしれません。しかし、著作権法上の引用には条件があります。
公表された著作物について、公正な慣行に合い、批評などの目的に照らして正当な範囲で利用する必要があります。自分の文章と引用部分が明確に区別されているか、両者の主従関係がどうなっているかなども判断に関わり、出所の明示も求められます。
例えば、投稿の雰囲気をよくするために写真を添えるだけでは、出典を書いていても、適法な引用になるとは限りません。画像が必要な理由と、使う範囲を説明できるかどうかを考える必要があります。
日常の投稿で迷った場合は、自分で撮影した写真や、利用条件を確認できた素材を選ぶ方法があります。許可を求める場合には、掲載先や目的を具体的に伝えると、相手も判断しやすくなります。
投稿する前のひと手間が、思い出を気持ちよく残します
SNSへ写真を載せる前に、写っている人の意向、背景に含まれる情報、画像を使う条件を確認してみましょう。公開範囲を限定することも役立ちますが、閲覧した人が画像を保存したり、別の人に見せたりする可能性も考えておきたいところです。
もし投稿後に、友人から掲載を控えてほしいと連絡があったら、まず公開を止め、どの部分が気になったのかを確認するとよいでしょう。自分では問題がないと思っていても、相手には別の受け止め方があるかもしれません。
楽しい出来事を伝える写真だからこそ、写っている人や制作した人への配慮も添えたいものです。投稿ボタンを押す前の短い確認が、思い出を気持ちよく共有することにつながります。



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